こんにちは。潔く銀です。
今回は、最近使用したKodak Ektachrome E100をデータ化したので、使用した感覚と共に記事に書いていこうと思います。
デジタルの急速な進化にフィルムは時代に取り残される形になりました。採算が取れないのでフィルム事業は衰退していき、度重なる値上げ&値上げ。種類もどんどん減っていく中で、コダックが2012年に廃止したリバーサルフィルム、Ektachrome E100を2018年10月末に発表しました。異例の再生産のアナウンスはフィルムファンにとっては嬉しいニュースとなりました。
再販売されるまでは、リバーサルフィルムはFUJIFILMから出ている3種類のフィルムしか選択肢がありませんでした。まぁ、イルフォードのフィルムを考慮すればもう少し選択肢がありますが、高品質なリバーサルフィルムとなるとFUJIFILM一択という状態でした。
まさか2018年にフィルムが一種類増えるなんて、リバーサルをやり始めた2013年頃は想像もしていませんでした。大学生の頃、FUJIFILM Velvia50もいいけどEktachrome, Kodachromeもよかったというのを聞いていて、ずっと使いたいと思っていました。
というわけで、予約開始と同時に予約して発売日に購入したのですが、これまで使う機会がありませんでした(笑)
リバーサルフィルムで撮影するとなれば、35mmではなくてブローニーを使うのでE100を使えませんでした。なので、買ってから使ってから撮りきるまで8ヶ月ほどが経ってしまいました。
使用するカメラはCanon F-1にしました。だいたい、こういう大事なフィルムを使用するときは、高校生の時から使用しているCanon EOS 1N HSにするのですが、今回は使用するタイミングがなさすぎてこうなりました。
さて、肝心の結果はそこそこいい感じでした。以下の写真が仕上がりになります。
撮影日は2月の上旬ごろになります。この日は、午後から天気が下り坂気味でした。有名な撮影スポットのようで、カメラマンはたくさんいました。ご年配の方が多かったのですがフィルムカメラを使用しているのは僕だけでした。
今まで、Velvia 100ばかり使用してきましたが、青空の色の出かたがEktachrome E100の方が好みで一気にファンになりました。
静岡県白糸の滝にて撮影。撮影日は上の富士山と同じ日の撮影になります。レンズはFD 55mm F1.2 S.S.Cにて撮影。少し絞って長秒露光で撮影しています。日陰のところで撮影すると微妙にシアン被りをしますが、Velviaとは違った色になります。
2月は関東に滞在していましたので、休日はいすみ鉄道に訪れました。なかなか関東には来ることがないので、ここぞとばかりにCanon F-1を使用して撮影しました。
あまりレンズを変えることなく、ずっとFD 55mm F1.2 S.S.Cを付けっ放しにしていました。この日のFDシステムは、24mmと35mm、55mm、135mmという組み合わせで所持していました。ただ、24mmはNew FDなのでNew F-1専用レンズになっていましたが。
どことなく、味がある写りでいいですよねぇ。車両の時代とフィルムの時代が合っているので、タイムスリップをしたような感覚になります。Velvia 100と比べるとそこまでコントラストが高くないので、天気が多少悪くても扱いやすいのが良いところです(^^)
元は撮り鉄で、特に阪急電車を撮影してきたので桜とのコラボをリバーサルで撮影しておきたいと思い、Canon F-1を持って行きました。
2019年の桜の中ではあもっとも綺麗だった日に撮影していると思います。これは時間に融通がきく学生なので、一番良い日を選ぶことができました。
これが古い車両だったら完璧だったんですけど、最近の阪急神戸線は車両が新しくなったり、写真の車両のようにリニューアルされたものが多くなってしまったので、贅沢は言えませんね。
少し前に熊本県へ行ってきました。その際に撮影した阿蘇山 中岳です。近くにはツツジの花が咲いていたので、季節感の溢れる写真を目指しました。
斜陽が強くなり色温度が上がる時間帯なのですが、シアンが少しかぶる影響でなんとも言えない雰囲気の写真になります。Velvia100と比べると、Ektachrome E100は上品な色合いになりやすいです。
特に緑色の出方が明らかに変わってくるので、撮影シーンによってはかなり綺麗な色が出せるのではないかと思いました。
このフィルムを使用して、初めてFUJIFILM or Kodakのどちらが良いか論争が発生するかが分かりました(笑)
僕が高頻度で使用しているVelvia 100との比較になるのですが、かなりシアンが被りやすい傾向で、嫌味なシアン被りではないです。
また、Velvia 100より高コントラストではないので曇りでも使用がしやすい印象です。
Ektachrome E100は、1枚目のような空を多く入れて撮影するシーンでは好みによって好き嫌いが分かれるかもしれません。空の色がかなり忠実度が高いので、少し物足りないこと色になることがあるかもしれません。
夕景、夕焼けを撮影するなら、圧倒的にVelvia 100をオススメします。Velvia 100のマゼンタに被る傾向は夕景ではかなり活きます。特に少しアンダーよりに撮影した夕空はVelvia100より綺麗なフィルムはないと思っています。
ポートレートは、おそらくVelvia 100の方が綺麗に見えるかもしれません。ただ、クールなシーンを演出したい人はE100の方が良いです。僕は、E100の方が好みです。
軽い感じにまとめましたが、復活したフィルムEktachrome E100は、かなり扱いやすいリバーサルフィルムで、初めて手を出すならこのフィルムをオススメしたいなと思います。
最近は、FUJIFILMが値上げしてKodakと300円ほどしか差がなくなりました。フィルムの扱いやすさを考えると、こちらの方が良いのではないかと思います。
初めてリバーサルを使用した際の感動を、もう一度与えてくれたKodak Ektachrome E100というフィルム。ずっと憧れてたフィルムだったので出来るだけ長く販売してほしいです。120フィルムの再販の噂がありますが、本当に出てくるか否か・・・もし、再販されるなら67と645の使用頻度が圧倒的に増えそうです。
また、E100を使用する機会があれば記事にしたいと思います。