こんにちは。潔く銀です。
何か面白いネタがあるかなと思い考えていると、最近フィルムが少しだけ若い人の間でトレンドになっているので、フィルムについて書いてみようかなと思います。
最近、ついにFUJIFILMがフィルム製品を大幅な値上げをして、カラーネガが1本1000円近くするようになりました。値段が安かった業務用フィルムも最低価格が700円ほどになり、正直フィルムの時代は終わるのではないかと思っていた矢先、発表されたACROSの復活。まだ、フィルムの時代は死なないのかもしれないと少し期待をしてしまうような発表でした。
しかし、企業が努力しても消費者がいないと意味がないので、多くの人にフィルムを楽しんでもらいたいので、以下の項目でフィルムの魅力と面白さについて語ろうと思います。
アナログの良さ
最近のデジタルカメラは、技術進歩が進みすごく高精細な写真が撮れるようになりました。軽く撮影しただけで毛穴まで写るという、女性泣かせのカメラもあります。最近では1億万画素のカメラも出てきました。技術の進歩は本当にすごいです。
しかし、デジタルの描写は絶対的に微妙な質感を再現できないと思っています。たとえ、それが何万億画素になったとしても微妙な奥行きを再現できないはず。デジタルがいつの時代もフィルムとは違うと言われる原因です。
なぜか?
デジタルカメラの中には、イメージセンサという部品が入っています。このイメージセンサがフィルムの代わりになるのですが、イメージセンサは光から電気信号に変換して画像に出力するセンサです。イメージセンサの構造上、光を正しく電気信号に変換する際に、光を微妙に屈折させて受光しています。
フィルムでは、光を屈折することなくそのまま受光します。フィルム面に鋭角に光が入ったとしても、その光もフィルムは受け止めます。なぜなら、銀の粒子がその光を受け止めるからです。イメージセンサでは、それらの光はノイズとなってしまうため拾えません。
微妙な差ではあると思いますが、その違いこそがデジタル写真がのっぺりしていると言われる原因であると思っています。
もっと厳密に言えば、デジタルカメラは様々な観点で誤差が生じてしまっているので、フィルムの表現力はデジタルでは実現できないと言えるんですけど、細部の描写に関わる話は構造の違いが一番であると私は考えています。
すごく簡単に言うと
デジタル画像は、仕組みの都合上において誤差が生じてしまうため、微妙な表現ができない。フィルムが表現する絵とは違う部分であると思います。
今の若者は、フィルムのことをほとんど知らない。デジタル画像ばかり見てきた世代にとって、この微妙な違いは新鮮な刺激を与えているのだと私は感じます。
製品によって変わる表現
フィルムを触るなら、是非色んなメーカの様々な銘柄のフィルムを嗜んでもらいたいと思っています。彩度が高いもの、色被りが発生しやすいもの、コントラストが高いものなどなど、製品によって表現の仕方がかなり違うため、好みのフィルムにできるだけ早く出会って欲しいからです。僕は、好みのフィルムに出会うまでかなり時間がかかりました。フィルムをやり始めた頃は、まだ種類が多かったというのがありますが(笑)
フィルムを作っているところで有名なブランドは
作っている会社は違うけど、ブランドだけ残っているのはILFORDやRollei, Agfaですね。Kodakは、会社名にコダックの名前が入っているのでセーフということでw
フィルム全盛期は、様々なメーカがフィルムを作っており選択肢も豊富でした。今となっては、会社で銘柄は数個しかない状況で選択肢もかなり減ってしまいました。
しかし、最近は、KodakのEktachrome E100が復活したり、ACROSが復活したりと無くなったはずの銘柄が回復していることもあります。消費量が増えれば、また復活するフィルムがあるかもしれません。なので、迷っている方は今すぐにでも初めて欲しいと思っています。
ちなみに僕が長年愛用しているフィルムは、Velvia 100という高彩度&高コントラストな画になるフィルムを使用しています。特に朝焼けや夕焼けのシーンにおいては絶妙な色を表現してくれます。
出来たら暗室を体験して欲しい
これに関しては、すごく難しい話になるのですが、出来たら暗室で自分のフィルムを現像して、印画紙に焼き付けるという体験をしてみてほしいと思います。最近は、暗室という環境が減ってきており、体験できる場所が少なくなってきています。
しかし、これからフィルムカメラを始める人は大学生が多いと思います。暗室を持っている大学は結構な数あります。僕が通っていた大学にも暗室がありました。
撮影重視だったので、あまり暗室に入ることははしていませんがブローニーフィルムの現像などはしたことがあります。お店などに出してしまうと、ほとんどの場合はデジタルデータに変換されてしまうため、仕上がりが全然違うのでわかる人にはすぐにわかってしまいます。
フィルムを最大限に楽しむなら、紙に焼き付けるところまでしてほしいなと思います。僕は、猛禽類の質感を最大限に引き出すためにモノクロフィルムで撮影をして、作品を作りました。やはり、デジタルカメラでは出せない表現をすることができて、非常に満足のいく作品に仕上がりました。
もし、これからフィルムを始めようとしている人でこのブログを見た方は、暗室がある環境がもしあるなら、絶対に体験してほしいと思います。きっと貴重な時間を過ごせます!
カラーネガよりリバーサルで!
写ルンですなどのインスタントカメラに入っているのは、一般的なカラーネガフィルムと呼ばれるものです。プリントをしないと何が写っているかわかりません。
リバーサルフィルムは、現像をした段階で何が写っているかがわかります。フィルムに光を透過させるだけで写したものを見ることができます。
ネガと違いすごくシビアに露出を決めないと、美しい絵を見ることはできませんが、しっかり撮影することができれば、非常に綺麗な画を残すことができます。これは、百聞は一見にしかずなので、興味を持った方は今すぐにでもリバーサルフィルムで撮影してみてほしいと思います。
「ここに画像を入れたい」
少し前なら、カラーネガでも良いんじゃないかと思っていましたが、昨今のフィルムの値上がりや現像代を考慮すると、ランニングコスト的にリバーサルフィルムを使った方が絶対に良いと思います。感動の残り方も全然違いますしね(笑)
僕が大学1回生の頃までは、リバーサルフィルムのダイレクトプリントもあったのですが、今は完全にデジタルデータに変換してからになってしまいました。最近は、スキャナの品質が上がり、フィルムのいいところがデジタルデータにも乗っかっていますが、それでもぐっと引きつけられる魅力は再現されていません。
リバーサルフィルムを見るなら、ルーペで見るのが一番良いですね。僕は、今でもその感動があるので、細々とリバーサルフィルムで撮影を続けています。
まとめ
僕が思うフィルムの魅力を好きなように書いたのですが、フィルムが息絶えずにこれからも表現ツールとして残ってほしいなという願いがあります。フィルムは消費しないと企業はフィルム事業をやめないといけません。また、消費量が少ないと現像をしてくれるところも減っていきます。もし、この記事を見られた方、フィルムユーザの方は消費量を増やしてもらい、これから始める方は出来るだけ長くフィルムを愛してほしいなと思います。